写真展「binran」/ Place M 10.27-11.2

写真集が発売予定の「binran」シリーズの新作を発表。
台湾全土を取材し、新たに撮った写真を展示します。

会期:2008年10月27日(月)― 11月2日(日) 13:00―19:00(会期中無休)
会場:PLACE M
東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル3階

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「binran」

 台湾にはいたるところで「びんろう」が売られている。地元では「ビンラン」とよばれている、その小さなヤシ科の実をめぐる物語が何世紀にもわたって語り継がれているに違いない。それは台湾だけのことではなく、広く東南アジアや南大平洋の島々に分布するこの植物は、英語でティーユーフォア(地獄花)と呼ばれているそうで、どこか謎めいている。
 ウズラの卵ほどの青い実に切り込みを入れて、胡椒科の植物の葉をはさみ、石灰を塗り、それをひたすら噛むのだ。にじみ出る血のような真っ赤な汁を飲み込むと、喉もとがわずかに熱くなって、身体が火照ってくる。口からノドへ、そして脳に染み入って全身へと高揚した浮遊感が伝わってゆくのだ。
 ここにある写真は「ビンラン」を売る娘たちのポートレートだ。夜の暗がりに、輝かんばかりのガラスの箱に入っている。まるで深海にいるような錯覚さえするのだ。行き過ぎる車。台湾全土を走り回って撮りためた写真は100数十点。南へ行けば行くほど服の生地が薄くなり、肌が露になる。何故にこんな恰好をしているのか?みなさんのご想像にお任せします。

瀬戸正人